クモガタガガンボ

【写真1:雪上を歩行するクモガタガガンボ sp.

クモガタガガンボは冬にだけ現れる昆虫で“雪氷生物”というくくり方がある。ガガンボはハエやカに近い昆虫です。通常は夏をピークに出現して立派な翅を有しているものの、この種群ではそれが退化し、なぜか冬の季節を選んで羽化する。正確な同定ができない辛さはマニアックに面白い。外部形質から雌雄の区別がつけられるだけマシで、お尻に産卵管があるので♀だということが判る。

クモほど速くはありませんが、雪上ではたゆまず歩行するので撮影は面倒。背景を入れた写真なども撮りたかったが、マクロに弱いコンデジしか持って無かったので断念。雰囲気だけの写真ですが『厳寒期の記録』にはなるかと思います。

撮影地は北海道の中でも極寒で、2月下旬から3月がこの虫の旬です。撮影現場も、前日までの寒さはマイナス20度超の厳しい状況下でしたが、当日は急に気温が上がりマイナス3度で降雪もなし。撮影時刻は11:00。

来週、小学生とその保護者が対象で冬の虫の話をするので、生きた題材になるかも知れない。もともとは越冬卵がメインのお題ですが、せっかく見つけたのだし冬場しのぎで激写&採集。


【写真2:同上《データ:♀ 北海道上川郡美瑛町 2012年1月22日》

重複しますが、前日まではびんびんにシバれた寒い日で、車のバッテリー液が凍るような状態でした[液の比重が低い場合]。ところが反対に、そんな日は昼間に紫外線の強い強烈な日差しが照りつけることも多く、それが羽化を促したりするのかも知れません。

数日後にはまた極寒が訪れる予定ですが、明日だけは暖かい予想なのできっと何かの虫が動くと期待されます。ところで“激写”ってどういう意味でしょう。無理矢理で撮影とか手抜きで撮影することではないですよね? 

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