交尾中のアオクチブトカメムシがベニシタバ成虫を捕食



カメムシって交尾中でもかなりウロウロとするんですね。このアオクチブトカメムシにそっくりなのはツノアオカメムシで、同じようなサイズで同じような格好で交尾中に樹上を徘徊しています。ただ、そちらは交尾しているだけで他者を襲うことはないと言われているし見たこともない。つまりアオクチブトの方が凶暴? 
とにかく結構な雨の中、交尾中のアオクチブトカメムシ(♀)が、こっそりベニシタバに近づいて仕留めた。いくらベニシタバが樹液に気を取られているからと言っても、カメムシおそるべしです。 

カメムシってのは人間には“匂い的な毒”しかないように言われますが、こんな飛んだり跳ねたりデカかったりするカトカラや、イモムシ毛虫などの大きく暴れるハズの獲物を仕留めてしまうのですから、虫的には相当に効果的な毒を持っているとしか思えません。水棲のカメムシもそうですね。タガメに掴まれた大きなカエルを見ていると不思議でならない。また、水棲昆虫ということならゲンゴロウに囓られた魚などを見ていても、襲われた直後にピクっとなる瞬間があります。良く聞くところの消化液そのものがその役割なのか、はたまた別の液体が存在するのか? 


これらの写真の前はベニシタバは吸蜜姿勢でした。「逃げないなぁ。足の格好が変だなぁ」と思ってライトを射てながら近づいてはじめてカメムシの存在に気付きました。もちろん、その時にはすでに動きを止められていたようです。 

カメラを用意しているうちにカメムシは交尾したままの姿勢で木幹を動き、それによりベニシタバがぶら下がるような格好になりました。ちなみに吸汁しているのは♀で、口吻が刺さっている(引っ掛かっている)のはほんのさきっちょだけのようです。

今は、夜と朝しか動けてないので暗い写真で済みません。おまけに強い雨が降っていましたので、撮影するには傘をさしたり流れる水に気を取られたりで大騒ぎ。そうそう、カメムシってのは小型種でも人間を刺す時があるので、アレルギーのある方などは注意。

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