新月のクロウスタビガ

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あえて新月を待ったワケではないですが、ヤママユガ科の探索は晴れててもやはり新月が調子良いのだろうと思います。実は23日に軽くヌルっていたのでリベンジで最も近い場所での徘徊。おかげさまで2011年9月26日、本年もクロウスタビガに出会うことができました。お待ちかねの嬉しい瞬間です。
秋の今時期になれば出現することが判っていても、それを見つけた時「やっと」という感じに加えて「今年も出てくれたか」と安心したりもします。そして、その美しさときたら涙モノ。まったく良い虫です。とくに♀の完品にはしびれます。ほんとに綺麗な鱗翅です。

クロウスタビガは灯火巡りに限ります。。。とはいっても、ライトトラップの屋台セットを持っていない私が言っても説得力はナシ。そして夜を徘徊するわけですが、出始め時期は燃料をケチるかのように走行も少なめで、成果として多数を期待するものでなければ綿密な分布調査とも言い難い。そもそも万年的な風邪気味なのでハードな苦行をやってのけることもできず、夜露が降りだしたところで帰路。
クロウスタビガは幸先良く完品の♀からはじまって♂も鮮度の良い個体を採集。こうなってくると、ムラサキシタバやらエゾベニシタバ、シロシタバにオオシロシタバなどを見かけても、なぜか無視モードになるのですから、人間困ったもんです。副産物は、同じく風物詩のウスゴマダラエダシャクとウスタビガを各♂♀。

実際の探索には、多数のクスサンから選別するような作業となりますが、とにかく草むらや枝葉が要注意です。街灯の下ばかりを見ていると、実際に見つけられる数は半分以下になってしまうように思います。昨夜もシラカバの長竿の位置に1♂、街灯から10mくらい離れたコスモスの植え込みの中の、よりによって地面スレスレの位置にも♀が静止していました。
特に安直と思われがちな『絶好の看板ライト』などの場合は、より注意して周りを探すことが“出遭いの分かれ目”になる感じです。昨夜は綺麗な星空でした。ムラサキシタバの撮影をしながら『気が向かない漆黒の空』を眺めながら躊躇していたものの、結果は出かけて正解でした。

さていわゆる“昨日の今日”なので、今宵は違う産地の様子も見に行かないといけない。道沿いの街灯なら早い時間に出かけたいが、少ない虫を相手にするのは遅い時間の方が精神的には良い。ところが、あまり遅い時間に行っても夜露で良くない場合が多いので、気象条件に左右されてのドライブ時間はスリリングに変化する。灯りが民家等に絡んでいればさらに複雑。
はたまた夜明け前の飛翔も考慮して仮眠後に出かけることがあっても、かりに夜露がかかっていなくても、寝過ごせばカラス等に喰われてしまう。そんな残骸をザトウムシが喰ってるところなどを見た時の悔しい気持ちは言い表せない。もっとも、夜は夜でキツネやタヌキ、そしてネコやネズミまでもがクロウスタビガを引いて行く。今宵は早めに出てみよう[E:dog]


追伸:出かけてみたものの、空気は澄みまくりで漆黒の宇宙色。蛾飛びの悪そうなほどに抜けた星空は、それはそれで綺麗。昨日より標高の高いところに出かけたのですが、クスサンすら静かな中で鮮度の悪いクロウスタビガ♂を見てしまってメゲ。やはり本種の鮮度は難しい。普段は見かけない灯りで辛うじて1完品。体調もすぐれないので、これにて早々に帰路。

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