不思議なモンシデムシ亜科の謎

【すみません、この記事はコチラに引っ越ししました】
左の個体は、経験上かなり大型

モンシデムシ亜科は、興味深い不思議な生態で知られる昆虫。社会生活・子育て・音によるコミュニケーションなどなど。もし有名でなければ、有名にしなければならないかも知れない虫。
夏にはトラップに良くひっかかる虫だが、このたび季節外れの大量採集に成功した。季節外れというのは活動生態でもあり、採集場所でもあり。
春先から元気に飛翔する姿を見かける種群なので、成虫越冬でもあり通年発生の虫なのかもしれないが、少なくともこの零下の季節ではもうトラップに落ちない。きっと、どこかに潜って子育て越冬でもしているのかと思っていた。

採集の場所はほかでもない、3年ほど前から放置されていたスズメバチトラップ[地上高150cmの枝先]。それは私が仕掛けたものではなく、伐採業者が仕掛けて回収を忘れていたモノ。そして、不思議に加えて“謎”と書いたにはいくつかの理由がある。

1. ダニ付き代名詞なのに全頭まったくダニが付いていない?
2. 多くの個体において後翅が破損している?
3. ハチ等を餌にトラップの中で発生した可能性もあるのか?

上記3なら何頭から発生した? その変異はいかなるものか? もし1頭の♀からの由来であれば、、、いやいや待て待て、それは考えがたい変異幅だ。しかし、スズメバチトラップにしては優秀過ぎるほどの個体数が入っていた。なのでタイトルにはモンシデムシ亜科としたが、複数種と思しきが入っているように見える。
モンシデムシ亜科は、変異が非常に面白い種群だと以前から思っていたので、これをきっかけに来年はせっせと採集したり飼育していそうな自分を想像。。。ちょっとグロい感じなので世間の眼が怖いが。。。
なんにせよ、こんな季節に思わず手に入ってかなり嬉しく、展脚するのが楽しみ。ただ状態は殆どが生体なので、しばらくティッシュの水飼いでデスクペットとあいなります。

さて、「このトラップがこの種群の採集に効果があるのか」と言うとそうでもないと思う。スズメバチトラップとはいえ時々はチェックしており、たまに入ることはあっても、一度にこのグループが集められたことはなかった。ひょっとして、この秋の終わりに中身が適した状態になったのか。。。
ちなみに、死亡ないし符節等の破損している確率は高め。採集した個体数は1トラップで30頭ほど。夏なら珍しくもないが、とにかく興味深かったので、いちはやく死亡していた個体を消毒して展足してみた。なんせダニが付いていないんだから気持ち良い。
写真にて、大きい方の個体は32mmほどあったが、乾燥器にかけているせいか僅かな時間で縮んでしまい、現状は29mm。ハサミムシとかハネカクシとか、ハチ等もそうか。。。この腹部の縮みはなんとかならないものか。

Categories: , , , , ,