異常型かも知れなかったクスサン

10月に入ってから最低気温が零下になることが多くなった。ところが10月16日は暖かくってびっくり。夜中に12℃なんてこの季節の北海道では異常。そこで勇んで夜回りに出発したのだが、なんだか様子は変だった。まずは、やっぱり沢山の昆虫が飛翔していた。「秋冬の虫とはいえ、やっぱり暖かい方が良いのだ」。それは単純に嬉しい光景だった。

ところが、クロウスタビガは期待していなかったものの、ウスタビガが全然居なくてかなり悔しい思いをした。クワコは相変わらず多かったが、ヒメヤママユがすら見ず何か様子がおかしい。そして、いよいよの季節、いわゆるフユシャク・フユエダシャクの見始めとなってしまった。

そんな中、クスサンとウスゴマダラエダシャクの完品が多いことが気になった。特にクスサンは、ここしばらく鮮度の悪いものが連続していたので、比較的多数の完品しかも当日羽化と思われる個体が多いことについて色々考えた。「やっぱり暖かい方が良いんじゃんか」・・・でも「暖かいスイッチで羽化したのなら、暖かくならなかったらどうするのか」・・・春には見たことがないので「もしや蛹で越冬してしまったらどうする?」・・・「秋になってから羽化する種なんだから、寒くても羽化するのだろうが、いくらなんでも零下が続けば」・・・堂々巡りのようなことを考えなが帰路についた。よくわからない。

2011年10月16日 クスサン♂

結局、謎的完品と思う2種を何頭かずつ採集してフユシャクもデータ的に採集。そして失態。オマケ的に羽化不全ではあるが異常形質を持っているように見えたクスサンを採集したのですが、酢エチボトルの中に入れたまま忘れていてボロボロにしてしまった。鱗翅目の辛いところ。。。持ち帰るか躊躇したくらいの個体ですが、せっかく持ち帰ったのに残念。でもって、この写真じゃどこが異常と感じたかも判らないので一応所見を書き留め。
とくに前翅において、外縁に黄色い縁のような帯だけがはっきりりと目立ち、翅の中程から付け根はのっぺりした感じ。眼状紋だけがポツンと目立つ。その雰囲気は外国産で似た種があるのですが失念。そいつは普通型でそんなイメージだった。すなわちヤママユガ科の先祖返り的な資料になるかなぁと思って持ち帰ったのですが、ダメダメですね。
見方によっては、羽化不全で縮れた部分は鱗粉が取れていないだけのことかも知れませんが、まったく判らないことになってしまった。すみません。

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