北海道におけるカブトムシの記録

【すみません、この記事はコチラに引っ越ししました】

北海道におけるカブトムシの初記録は1974年と記憶[原典は所持していない]しているが、それ以前にも1936年等の情報がある[未確認]。とくに上川管内におけるカブトムシについて、もともと注視していなかったため誠に曖昧な報告となるが、ここに書き記す。

終見は10月14日1♂。最後に複数頭確認したのは10月7日

1995年付近の数年間、種カブトムシ Trypoxylus dichotomus に着目して上川管内を見て回ったところ、数はそれほど多く感じなかったものの、旭川市や美瑛町、富良野市の樹液、上川町の街灯にも飛来を見、層雲峡白水沢の奥でも歩行中の個体を確認した。東川や東神楽、上富良野、中富良野では確認できなかったが、見聞によりすでに生息していたと思われる[調査不足]。南富良野町と占冠村は、少し遅れて分布を広げた感がある。
1970年頃には養殖を試みた場所もあり、それらが定着しなかったという報告もあるようだが、いずれにしても現在道内各地で見られるものは道外からの移入由来であると考えられ、何度にもわたっていわゆる“放虫”が繰り返されたものが、現在では全道に広がっているものと考えられる。

定点観察の美瑛町における私的な初見は1987年。以降、爆発的な発生は知らず個人的には見ない年もあったが、ほぼコンスタントに見かける種になった。1992年は大量に発生したことを記録しているが、1995年前後はそれほどでもなかった。1990年代後半からは発生の増減こそあれどそれは“大量”の範囲であって、街灯でも常に見かける普通種になった。2011年現在、樹液の出る場所では元来の生態系を狂わせるほどの猛威をふるっており、とくにクワガタ類への影響は大きい。余談ではあるが、1990年代の後半よりノコギリクワガタの大幅な個体数減少と同時に小型化が見られ、ミヤマクワガタは徐々に個体数を減少している傾向にある。

美瑛町のカブトムシは、通常7月20日頃から発生を始め、8月10日頃に最もまとまった発生を見る。その後8月20日くらいまでの約1ヶ月間がカブトムシマンスで、場所によっては多すぎるほど発生しているのが現状である。
定点観察では主に樹液での観察を行う。街灯でも見かけるが、本種は樹液での観察が発生の状況を掴みやすい。私的な記録では、始見は6月30日に1♀[1999年]。
本2011年も少し早い出始めを7月9日1♀に見たが、その後10日間ほどは1頭も見て居らず、6月下旬は相当のハシリ発生と感じる。終見は、10月14日1♂[2011年更新中]。ただ、室内で飼育すると12月まで生きていたこともあるので、条件が整えば野外での11月の記録もありうるだろう。

幼生は倒木下からも発見されるが、現状では大量に発生するエリアでは堆肥場に依存している個体群が多いと思われ、見方によっては自然度の高いことに反比例する。すなわち、畑と畑の間に挟まれた林で多産を確認しても、林道の奥ではそれほど多くの個体を見ることはない場合がある。

北海道のカブトムシの特徴として、全体的に小型な個体が多こと以外には、色的変異、頭角と胸角、符節の形状および体格等に着目しているものの、本州産と特に大きな変異の差異は感じていない。堆肥置場での観察と野外に近い状態での飼育検証にて通常年1化と推察。すなわち、本州などと比較して、その遅い発生時期こそが大きな特徴となる。

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