ヤツバキクイムシの仲間

今日は朝から晴れるつもりが、簡単に裏切れたにもかかわらず、知らぬ間に晴れていたというズルい天気だった。5月も半ばになるとかなり陽が長くなって、夕刻でも日射しが残っていたので家の前を散歩。

まずはスモモでリンゴシジミを探したが見つからない。悔しいので林の方に出かけてみたが、孵化済み卵殻が見つかるのに肝心の幼虫が見つからない。スモモの開花状況は個体によって差が大きく2〜9分咲き。多く花を付けている木のそばは、とても良い香りを漂わせている。

【スモモ。エゾヤマザクラの多い地方では、ザ・サクラ=ソメイヨシノの雰囲気を醸し出す】

私のリンゴ眼は節穴でもゼフィルスの幼虫なら見つかるわぃとミズナラをやろうとすると、よさげなマメザクラが眼に入った。。。「これはアイツが好きそうだ」。。。そいつはすぐに見つかった。メスアカミドリシジミは2令で体長は約4mm。ノギスを携行しているのだが幼虫の長さとはシャッキリと計れる物ではない。

しかしリンゴシジミが釈然としない。ヤツバキクイムシの仲間を撮影してオトシブミの仲間を採集して、今度は巨木のスモモに挑戦。ようやく見つけて納得。約10mmくらいで丸丸とした4令幼虫と9mmくらいの変態寸前の3令。同時に30mmを越すような鱗翅目の幼虫[たぶんオビカレハ]も居たが、あいつらはどうしてあんなに速く大きくなることが出来るのか。

【終齢[4令]スタイルのリンゴシジミ幼虫。これ、脱皮殻を食べてたのかも知れない】

ところで、ヤツバキクイムシの仲間は変な体型をしている。体長5mmにも満たない甲虫だが、特に鞘翅は変則的で先端が寸足らず。写真では毛で隠れて見えないが翅端に4つの歯状突起があり2枚分を足して“八歯”というのが和名の由来。いわゆる害虫で、小さくても大発生されたら林業従事者は困ることだろう。

そして、どんな虫でも掘り下げればいろいろ興味深い。ヤツバキクイムシの異常なまでの筒状の体躯は愛嬌がある。肉眼では見えなかったが、写真で確認すると白いダニが付いていた。こりゃまた小さい。深く掘ってみたい。そして、どんな虫であっても増えすぎると害虫扱いになる。

【ピン甘で判りづらいが、小楯板に見える白いのはきっとダニに違いない。推定0.04mm】

実は今日、本当に見たかったのはアカマダラ・ジョウザンシジミの蝶類と、ムカシトンボ、フタオタマムシ。晴れた日に一日中、野山で観察遊びがしたいと思う今日この頃だが、なかなか難しい。

見たい虫にフラれたのは天気と時間帯のせいにして、リンゴシジミの幼虫を持ち帰ってサクラでも喰わせてみようと考えた。しかして、この小学生の日記のようなタイトルが「ヤツバキクイムシの仲間」で良いのか?【2012年5月17日】

【鞘翅は囓り取られたようにも見えるが完品。それにしても変な虫。その赤いのもダニか?】

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